
こんにちは、コーチ敬人です。
昨日につづき、ピアノの話を。
なぜ、今回ピアノの話をしているのかというと・・・
音は、私たち人間の脳の活性化に深く関与しているからです。
脇道にそれますが、脳の活性化について。
ここでは、脳内物質の面から見てみましょう。
やる気まんまんな時の脳内には、ドーパミンが分泌されます。
ドーパミンは、運動を促すホルモンで、意欲向上や思考を促進させます。
ドーパミンが過剰に分泌されるとドーパミン抑制物質であるセロトニンも過剰に分泌されます。
セロトニンは精神を安定させる作用があります。セロトニンが分泌されると、人は気持ちよく、深いリラックスを感じます。
幸せな状態ですね。
つまり、脳の活性化の一定義として、ドーパミンとセロトニンが分泌されている状態ということができます。
ここで大切なのは、物理空間に対しての活動にも、情報空間に対しての活動にも不可欠だということです。
食事をするとか
生殖活動をするとか
そうじをするとか
料理をするとか
移動するとか
スポーツをするとか
PCのキーボードを打つとか
そうした物理活動のみならず
お勉強や問題解決を含む、あらゆる知的活動の際にも必要だということです。
では、どうすればドーパミンとセロトニンを出すことができるのでしょうか。
方法は複数あります。
あるのですが、そのうちの一つが、音楽を聴く、なのです。
これのいいところは、たばこやアルコールといった薬物と異なり、余計な副作用がないことです。
しかも、一度強烈な音楽体験をすると、そのときの音楽体験を思い出すだけで、ドーパミンがでてきます。
私は、ちょうど10歳になるころ、小澤征爾さんのオーケストラの演奏を聞いて、それこそ全身がぞわぞわしました。
ホールまでの真っ暗な夜道、初めて入る広くて立派な大ホール、そして満席の観衆、白い衣装をまとった小澤征爾さん(その当時、森英恵さんがデザインした真っ白い衣装が定番でした。)
静溢なホールを満たす雰囲気と、オーケストラの出す強烈な音の感覚が、その景色といっしょに蘇ります。
一体どんなプログラムなのか、そのときは全く知識もなく(10数年後、インターネットの普及で過去情報を調べ、ブラームス作曲交響曲第1番ハ短調だとわかりました)、ただ感動したわけですが、それ以来、楽器を弾きたくてしかたがなくなり、ピアノの練習に熱が入るようになり、サッカーも友達を集めて毎朝やるようになりました。本をやたらと乱読するようになったのも、この頃です。
もちろん、ラジカセやTV等でオーケストラの曲は聴いたことがあったのですが、まったく異なる経験でした。
それはそうです。
まず、日常空間から、わざわざ電車や車にのって、ホールまで行きます。
ホールは、それこそ何億円もかけた、巨大な楽器です。
そこに、生身の、それこそ音楽家になるために海外留学までしたような何十年も毎日練習しているプロ演奏家が数十人ステージに上がり
それぞれの楽器は、職人が時間と技術を注ぎ込んだ、それこそ数百万円から千万円するようなものばかり。
振動による聴覚だけでなく、視覚、嗅覚(ホールの匂いってあります)、触覚(シートの感覚や空調の感じ)、味覚(休憩に飲むオレンジジュース)、といった五感に加え、演奏者のなんともいえぬ仕草からくる気。
これらは、ラジカセやTVでは、無理です。
その幼少の記憶から、私は、初めて訪れた街では、必ず音楽ホールを訪れるようになりました。
その豪華な建築は、巨大な楽器という側面もあり、これまで演奏されてきた音がしみついています。
チケットをもっていようがいまいが、とにかく行くのです。
インドのムンバイでは、チケットは完売していたのですが、なぜか好意で入れてくれ、凄まじく熱狂的なガムランを聴くことができました。
フランスのオランジュの古代劇場でカルメンを最後まで鑑賞したときには、時代感覚がなくなりました。
パリのオペラ座の地下の練習室は、それこそ怪人が出そうでしたし、南仏プロバンスのラ・ロック・ダンテロンでは緑の中をトラクターでピアノを運んでいるところに遭遇し、何かと思ったらその後、演奏前の藤田真央さんが写真をとっていました。クラシックに限らず、南仏マルシアックのジャズ際で街角でウィントン・マルサレスが吹いていたり、暑い山中湖畔でミッシェル・ペトロチャー二がスウィングしていたり・・・
その場の臨場感の中で、本物の音楽を聴くことは、圧倒的に脳裏にこびりつきます。
本物の音楽・・・
本物のミュージシャンの脳内の活性化した状態は、聴衆に、五感を通じて伝わるのです。
さて、
12月1日の松田華音さんのリサイタル
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2176/
ホールも、バブル時代の象徴のような、超豪華なオペラシティコンサートホール。
https://x.com/operacity_hall
音楽を聞かなくても、その空間に入るだけで価値があります。
そこに、筋金入りのロシア音楽家、松田果音さん。
ピアノは、トラックくらい大きなフルコンサートピアノ
(ぜひ、一度、コンサート用のピアノを弾いてみてください。ショールームに行けば指弾できます。私のお気に入りは、ベーゼンドルファーのインペリアルです)
どんなに録音のテクノロジーが進歩しようと
生にはかないません。
(もちろん、金額でも)
しかも、永田設計をはじめ、日本の音響設計は世界トップクラスです。
それで、チケットが数十万円するのならわかりますが、なんと、5000円。
ホール建設費、人件費、演奏家の教育費、楽器代もろもろふくめておそらく数十億円でしょうから、席数1600で割ったら・・・
まったく価値と価格がつりあっていません。
九州や北海道から飛行機で来たって、割安です。
海外から来たって割安です。
ぜひ、脳の活性化のために使わない手は・・・ないですね。
演奏会であったら、声をかけてくださいね。
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https://mailing.hayashi.site/User/cancel/gLotvW4RWGIA/
2025年11月7日 18時03分