週刊コーチングとは <2> 不満の取り扱い

こんにちは!

前回のブログでは、「悩み・不安・不満」といった問題解決についてお話しました。

結論からいえば、「悩み・不安」は、マインドの使い方が上手になると、消えてなくなります。

しかし、不満はなくなりませんし、なくす必要もありません。

今回は、その理由について説明しましょう。

「不満(とても満足とは程遠い状態)」という言葉に対し、いい感情が沸きたつ人は多くはないでしょう。

しかし、人間の行動にとって、不満はとても大切な情動なのです。

というのも、この「不満」という情動は、エネルギーをうみだす源だからです。

ひと昔前になりますが、日本人の多くは、「ごはんは残してはならない」ときつく言い育てられてきました。

私もそうでした。

家庭でもそうでしたが、学校の給食でもそうでした。

好き嫌いは許されず、食べ終わるまで席を立つことを許してもらえず、無理やり口に押し込んだ記憶があります。

特に、料理に対して「美味しくない」と言うことは許されませんでした。

おかげさまで、私の母の料理や給食が変わることも美味しくなることもありませんでした。

食事への不満を口に出すことがはばかられる、という人は多いのではないでしょうか。

食事ですらそうなら、たとえば先生への不満、上司への不満を直接口にする、ということはありえないことでしょう。

こうした習慣や教育が強化されると、「不満は我慢するもの」というマインドが形成されていってしまいます。

では、不満は我慢できるものなのでしょうか。

答えは、NOです。

不満は一時的には我慢できても、必ずどこかで噴出します。

それは、食べたら出る、排泄のようなものです。

場合によっては、病気というカタチで物理的に、体に出ます。
場合によっては、暴力や破壊活動というカタチ(行動)で物理的に、体にでます。

不満は、基本的に、我慢してはならないのです。

では、どうしたらよいのでしょうか。

物理的なものに対する不満解消の答えはシンプルです。

物理的なものごとへの不満であれば、満足するものに物理的にとりかえて解決してしまえばいいのです。

たとえば、満員電車による通勤が不満なのであれば、

車で通勤するとか、

徒歩で通勤できるところに引っ越せばいいでしょう。

自分の親の料理に対して不満ならば、

親にかわって、おいしい料理を用意するか、おいしい料理をつくってくれるところをみつけて食事をとればいいでしょう。

今の家が不満ならば、不満なところを直すか、満足する家に引っ越せばいいだけです。

その際、

電車通勤から車に変えたり、

料理をつくったり、

家を引っ越すには、

それなりにエネルギーが必要です。

そのときに使うエネルギーは、「どうしても、現状はおかしい」という不満エネルギーです。

大切なことは、「そのエネルギーを無駄遣いしない」 ということだけです。

たとえば、

満員電車が不満だからといって電車の中であばれたり、

まずい料理への不満を作り手にぶちまけたり、

せまくてちらかっている家への不満を家の中のだれかにあたったりしないことです。

そうしたからといって、

電車の居心地がよくなるわけではありませんし、

料理がおいしくなるわけではありませんし、

家がすっきりして広くなるわけではありません。

たいていは、逆で、

電車はさらに居心地悪くなり、

料理人はへそをまげるでしょうし、

家の中はさらに険悪なことになります。

不満のあるモノは、不満のないモノにとりかえる、修正する。

不満エネルギーはそのために使えばいいのです。

さて、物理的なものは、それでいいのですが、

では、情報空間における不満はどうしたらいいのでしょうか。

たとえば、どうしてもいい点数がとれない苦手科目がある。

それが不満でしかたがない、といった場合などです。

もちろん、わざわざ低い点数で我慢する必要はありません。

低い点数を頑張って維持して我慢しつづけても、いいことはひとつもないでしょう。

かといって、いい点数に数字だけとりかえても(つまり点数だけ書き換えても)、ばれたらさらに怒られるだけです。

つまり、情報空間に対する不満の場合、

安易に物理上で書き換えても何の解決にもならないのです。

では、どうすればいいのでしょうか。

答えは、情報空間に対する不満は、別の満足する情報空間に書き換えればいい、ということです。

情報空間をとりかえる、書き換えるのです。

(「とりかえる」は、物理的なものにつかう日本語ですので、ここでは「書き換える」と表現します)

前回もお話しましたが、情報空間をとりあつかうのが、心、思考、つまりマインドです。

つまり、マインドのしくみ、そして使い方をマスターすることで、情報空間の書き換えが上手になっていきます。

実際に、書き換えを体験する。

これが、一番です。

おまちしています。