日本の名目GDP(国内総生産)が2026年にインドに抜かれる見通しとなった。(日経新聞 出所 IMF最新推計)。
推計によると、2030年には、イギリスにも抜かれる見込み。
詳細は、新聞報道等をよんでいただくとして、今日は、GDPについて。
この見出しを見ると、なんか嬉しくないなあ、と感じませんか?
サッカーのFIFAランキングを見ているような。
というのも、ヒトは、その内容もみずに
上がった!うれしい
下がった!やばい
と過剰反応しがち。
それゆえ、グルメから偏差値まで、なんでもかんでもランキング化して一喜一憂してしまう・・・
無防備に順位だけ受け入れるのってまずいでしょ、と思いますよね。
そこで、GDPについても、注意が必要と思い、今回とりあげました。
さて、GDPについては、国力を表す指標としてよく取り上げられるわけですが、
ざっくり定義から入りましょう。
GDPとは「国内総生産」(Gross Domestic Product)の略で、一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の合計額です。
国の経済規模や景気の動向を示す重要な指標として、四半期ごとや年ごとに公表されます。
よって、GDPを増やすには、
・生産性を高めて1人あたりのGDPを増やす
・人口を増やすこと
が「一義的な」要因となります。
ちなみに、日本の一人当たりGDPは・・・
38位!(どう思うかは、みなさんの想像におまかせします)
GDPには2種類あります。
・名目GDP:その期間の市場価格で計算したもの。物価変動の影響を含みます。
・実質GDP:物価の変動による影響を取り除いて計算したもの。物価変動を考慮しないため、経済成長の実態をより正確に把握できます。
今回のデータは、名目GDP。近年物価変動が激しいですが、その点は考慮されていません。
ちなみに、超ざっくり例をあげるとすれば、車を200万円で販売し、原材料費等かかった費用が150万円だった場合、付加価値は50万円となります。こうした付加価値の、国内すべての産業の合計額がGDPです。
この算出、大変そう!って思いますよね!
よって、算出は、日本では内閣府によって算出・公表されています。
つまり、各国政府が、算出・公表しているわけですが、紛争その他の事情で統計・算出が困難な国は、国際機関(IMF、世界銀行、OECD等)の協力を得て算出しています。(島国で人口を正確に出せる統計大国日本はかなり正確といえるでしょう!。一方、自国の人口統計を出すのすら大変!という国も、たくさんあるわけです。)
その国際機関のひとつが、今回の新聞記事の出所元である、IMFです。
では、そもそも、誰が何の目的でGDPの算出をはじめたのでしょうか。
GDPの考え方は、1930年代の世界大恐慌期にフランクリン・ルーズベルト大統領の依頼により、サイモン・クズネッツが国民所得の統計作成を始めたことがきっかけです(当時はGNP)。不況から脱出するためには国全体の経済状況を正確に把握する必要があると考えたわけです。ルーズベルト大統領といえばニューディール政策が有名ですが、当然、巨大な公的事業投資をするからには、数値目標(政策前と政策後の変化)が必要なわけで、言い方をかえれば、ニューディール政策は、「GNP値の回復・上昇」を目指した政策いえます。
ここが重要です。
つまり、公共投資の効果を見るために生まれたのが、GNP(現GDP)なのです。
この視点からいえることは・・・
日本のGDPがこれからインドそしてイギリスに抜かれるということは、
日本における公共投資が、インドやイギリスよりも効果的でない!ということ?
日本国の施策の結果(投資・お金の使い方の結果)ともいえます。
とすると、具体的な分析ができますね。
中国、ドイツ、そしてインドに抜かれたこの30年間、国の施策がどうだったか・・・・
これをよーく踏まえた上で
政府は新たな施策を打ち出すべきなわけです。
さあ、どうでしょう、高市内閣?
では、個人ができることは?
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2025年10月17日 17時27分