週刊コーチングとは<21>現状の外側とコーチ

 

私たちは日々環境からのフィードバックをうけながら生活しています。
環境から影響を受ける一方、環境に対しても影響を与えています。
その結果として、現状を維持しつづけています。

ただし、人間は他の動物と違い、自らの環境に対するはたらきかけにより、種の保存ができない環境を作ってしまったり選んでしまう力を持っている。

環境破壊、過労働、戦争・・・

人間の、環境に対するはたらきかけは、他の動植物にはない特徴をもっています。

一つは、現代にいきる人間において、最も影響が大きい環境要素は、人間であるということです。
もうひとつあげるとすれば、人間はある目的にハマると、際限なくそれを追求しだす、という特徴です。

この特徴を、自分の望む方向に利用する際に、重要なのが「現状の外側にゴールを設定する」という作業です。

問題は、現状とは異なる環境や、人間関係や、自分の役割をどうやってみつけて、どうやって実現していくかです。

答えは、やはり人間特有な、人間のみもつものにあります。
それは、発達した「脳」です。

脳のしくみ、脳の特徴を利用し、現状の外側が見えるようにし、それを実現できる方法を見えるようにしていけばいいのです。そして、やりたくてやりたくて仕方がない、という脳の「ハマってしまう」特徴を利用すればいいのです。

実は、人間は、おぎゃーと生まれてからこの方、他人に育てられ、他人と共同生活をし、今日に至っています。社会を形成する上で、常に「他人の目」「他人の影響」の中で生きてきました。そんな中で現状の外側にゴールを持つために、それを実現するためには、心理的に不可欠な「何か」があります。

事業を起こす際に、銀行や投資家から融資を受けるのは「お金のため」という理由もありますが、「あなたの事業と事業計画には価値がありますよ」という他人からの「何か」、いいかえれば心理的支援があります。ですので、自己資金でやるよりもやる気が出る、どんどん借りて事業を多角化してきた、という人は多いでしょう。

一家から誰も海外留学した人がいない中で、「あなたなら成功するから行きなさい」と、おじさん、おばさんに背中を押されたという人もいます。

それまでとは違った環境に飛び込む、あるいは環境を変える際には、他からの「何か」が最後のひと押しになることは多々あるのです。

その何かを与える人は、あなたと直接利害関係がない人ほどいい。利他的な人ほどいい。あなたより、人間のこと、つまり脳のしくみがわかっている人がいい。コンテンツについてとやかくうるさく言わない人の方がいい。

現状の外側にゴールを見いだし実現する行動を起こすには、そうした要素をもつ人の「何か」が必要です。

そして、その存在こそがコーチです。

実は、ゴールが現状の外側であればあるほど、ゴールとコーチの存在は同じコインの裏表なのです。

その何かとは。つづきは「輝ける日々に変わるメルマガ 第140回」で。

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